ファクタリング動向と今後

今後の市場予測とファクタリング

ファクタリングは2015年頃から一般企業でも用いられはじめ、経済産業省中小企業庁の「債権の積極活用」等もあり、2017~2018年にかけ大きく成長しました。

今後については市場規模の拡大を見込める一方で、すでに乱立されたファクタリング会社が“振るいにかけられていくのでは”と感じております。

ファクタリング業界は成長を続けていることをお伝えしましたが、実際にはファクタリングは営業許可(国や都道府県の登録)が不要で、ファクタリング会社が加盟する全国規模の団体や協会がありません。(※2012年に一般社団法人日本ファクタリング業協会が設立されましたが、2019年7月1日現在の会員は10社のみです。)
売掛債権買取件数や金額を調査する機関がないため明確な統計資料はありませんが、当社が今までに培ったデータを基にファクタリング業界の動向と今後の市場を予測したいと思います。

手形に変わる代替手段として普及

ファクタリングが大きく成長した要因は、手形の需要が大幅に減少したことです。
元々ファクタリングは東京を中心に広がったサービスですが、現在では西日本エリアの主要都市(福岡・大阪・名古屋など)でも普及しています。

手形取引は割引や裏書譲渡で早期現金化をしやすい一方で、紙媒体を使ったアナログサービスのため、不正によるトラブルの増加が問題視されていました。
東京商工リサーチによる2018年「手形・でんさい」動向調査によると、手形は2018年の手形交換高は、261兆2,755億円(前年比30.1%減)にまで落ち込んでいるようです。

手形交換高の推移

国内最大規模を誇る大阪手形交換所の交換高は、2017年の185兆5,250億円だったのに対して2018年は85兆8,775億円に50%以上も低下していることになります。

参考東京商工リサーチ2018年「手形・でんさい」動向調査

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190423_01.html

電子手形は増加

広まる電子決済

その一方で、政府は電子手形(でんさい)への切り替えを推奨しており、2018年は前年比で23.8%も増加しました。
ただし、手形交換高が2017年の374兆円から261兆円に113兆円も減少しているのに対して、でんさいは14.9兆円から18.4兆円に3.5兆円増加したのみにとどまっています。

受取り側も専用口座を開設する必要があるため、伸び悩んでいるのが現状のようです。
そしてネットバンクや法人向け電子決済サービスの普及によって、手形からオーソドックスな掛け取引(通常の払込み)に移行する企業が増加しています。
インターネットを活用した信用調査などで売掛金が回収不能になるリスクは軽減されましたが、従来の手形割引や裏書譲渡で売掛債権を早期現金化していた企業ではまだまだ手形取引に依存しているのが一つの事実です。

手形市場は縮小?

国際ファクター連盟(FCI)によるデータでは、日本のファクタリング取扱高は以下のように推移していると発表しています。

2010年 98,500百万ドル
2011年 111,245百万ドル
2012年 97,210百万ドル
2013年 77,255百万ドル
2014年 51,072百万ドル
2015年 54,184百万ドル
2016年 49,466百万ドル

国際ファクター連盟は、世界90か国の主要銀行系ファクター会社や保険会社系のファクター会社等、国際ファクタリング会社約400社が加盟する業界団体で、日本ではみずほファクター、三菱UFJファクターなどメガバンク系が加盟しています。
2016年以降に取引高が大幅に減少していることが分かりますが、これは加盟している大手ファクタリング会社(メガバンク系)が減少し、柔軟な対応を強みにした中小規模の民間ファクタリング会社が大きくシェアを伸ばしているのが原因と考えます。

廃業するファクタリング会社

ここ数年でファクタリング会社の数は大幅に増えていますが、競争の激しい業界です。
2017年から2018年は業者の乱立状態と言われていて、2019年に入ってからも新規参入してくるファクタリング会社の情報を多数確認できています。

市場規模は大きく成長していますが、取引先との信用問題に関わり額面も大きな売掛債権を売却する特性から、利用する事業者は慎重な対応をしています。
また、ファクタリングは全国対応している会社も多く、競合が少ない地域でファクタリング事業を起こしても集客効果は限られています。

したがって、

経営や金融の専門的なノウハウを持っていない
スピーディーかつ手厚い対応をするだけの余裕がない

等のファクタリング会社は集客するのが困難であり、成約率が低く苦戦しているのが現状です。
ファクタリング専門会社として新しく立ち上げたベンチャー企業はすでに倒産した事例も多く、ホームページは残すけど開店休業状態で、ほぼ営業実体がない姿も散見します。

また、実力のあるファクタリング会社は、実績を積み重ねて口コミや紹介で多数の案件を獲得するようになり、強弱の二極化が進んでいる傾向が見られます。

サービスで選ぶ時代に

サービスでファクタリング業者を選ぶ男性

今後もファクタリング市場は成長を続けていくと同時に、民間のファクタリング会社が増えれば増える程業界全体の質は底上げされるのではないかと期待しています。
当社では手形の衰退による特需を狙うのではなく、今後は勢いだけでは生き残るのが難しい業界だと考えた上、質を高める運営方針を貫いています。

お陰様で現在では福岡・大阪・名古屋だけではなく、多くの地域の企業様から「対応して欲しい」という嬉しいご要望を頂戴しております。
今後も地域密着型の手厚いサービスを継続させた上で、西日本だけでなく関東・東北地方の企業様にも当社のサービスをご提供できるよう努める所存です。