2020.05.07

中小企業経営における資金調達方法

銀行融資など通常の資金調達は、過去の実績や事業規模などの与信力が重要です。
大企業は銀行から数億円単位の資金提供を受けられるほか、株式公開や増資を行って資金調達する方法があります。
中小企業は大企業ならではの資金調達はできませんが、国や自治体が主導する融資や補助金・助成金のほか、中小企業向けの資金調達サービスを利用することが大切です。
中小企業経営における資金調達方法をまとめました。

『幅広い事業者が利用できる資金調達法』

<日本政策金融公庫の融資>
創業融資、企業再生・事業承継 など目的に応じて幅広い貸付サービスを用意しています。
起業時の資金調達や事業再生などで、まとまった資金調達をできる定番の方法です。
過去の実績がなくても、低金利で高額借入できますが、事業計画書に基づく厳しい審査が行われます。
国が主導する中小企業の強い味方ですが、無条件で融資してくれるワケではありません。
審査にも時間がかかり、事業計画書の作成や修正などの手間が大きいです。
アンカーガーディアンでは、コンサル事業を通じてファクタリング以外の資金調達のサポートも行っています。

<商工会議所の融資金制度>
全国の商工会議所では、創業時や会員限定保証などの融資サービスや、日本政策金融公庫の相談サービスを行っています。
商工会議所ごとで提供するサービスや貸付条件が異なってきます。
商工会議所は自治体と連携していることも多く、福岡では「福岡市中小企業サポートセンター」を設置して商工会融資金制度の案内をしています。
日本政策金融公庫と同等に、事業計画書に基づいた厳しい審査が行われて、時間と手間のかかる資金調達方法になりますが、起業する際は最寄りの商工会議所の融資制度を必ず確認しておきましょう。
商工会議所は九州・関西をはじめ全国47都道府県に拠点があります。

<ファクタリング>
銀行融資やビジネスローンは最低でも1期以上の運営実績と、黒字決算の実績が必要です。
ファクタリングは将来入ってくる売掛債権を売却して資金調達する方法で、売掛先企業の信頼性に応じて利用可否と条件が決まります。
大企業が利用する需要もありますが、株主など黒字化を求めて配当分配を求められることの少ない中小企業は、税金対策と同時にできる資金調達法として愛用する方がたくさんいます。
また、売掛先が破綻したり支払いが遅延したりするリスクも回避できるので、融資とは異なるリスク回避効果を得られ、支払いトラブルが経営に大きなダメージを与える中小企業との相性が良いです。

<個人名義の借入>
会社や事業が利益を出していなければ新規借入審査に通るのは難しいですが、会社員時代に作ったカードローンやクレジットカードのキャッシング機能を使う方法があります。
ほかにも、フルタイムで働いている配偶者の名義を使う、個人資産の不動産を担保にする等の方法があります。

<自治体の補助金・助成金・給付金など>
地域によっては、起業家向けの各種支援制度を用意している自治体があります。
審査を行うケースは少なく、業種や雇用の有無など条件を満たせば予算の範囲内で利用できる制度が全国には多数あります。
地方では転入するだけで補助金や助成金が出て、一定期間の収入保証を行ってくれるケースもあります。
起業したいエリアの各種支援制度をしっかり確認し、制度に応じて拠点を置く市町村を見直しましょう。
東京や大阪などの大都市の自治体でも企業向けの支援サービスを行っているケースがあります。

<クラウドファンディング>
クラウドファンディングは、個人を対象に寄付を募って資金調達するインターネットのマッチングサービスです。
提供するサービスを利用したいと思う人や、応援したい人からの資金調達を行います。
開発する商品や提供するサービスの利用券を特典で用意するなど、先行受注のような目的での活用事例もあります。
市場からの反応を知れるので、自己資金があるなど資金調達の必要性がないにも関わらず、市場調査や宣伝を目的にクラウドファンディングを活用する需要もあります。

<エンジェル投資家>
エンジェル投資家とは起業家などを応援する個人投資家です。
相手が個人なので経営参入や配当など、求められる内容が変わってきます。
資金提供を受けられる場合でも相手の選定や条件交渉をしっかり行わないといけません。
決まり事は書面に残すなどの注意点が多く、トラブルの起こりやすい方法ですが、個人の裁量で融資や出資の判断をしてもらえるメリットがあります。

<大企業からの出資を受ける>
同業や顧客になり得る可能性のある企業に対して、プレゼンを行って出資を依頼する方法があります。
アポを取るだけでも一苦労しますが、良いビジネスモデルと行動力、熱意があれば、まとまった資金提供を受けられるチャンスがあります。
出資になると経営権を握られるケースもありますが、上手に活用すれば出資元と提携したり顧客の紹介を受けられたりするケースがあります。
ほかにも、起業支援を行っている企業に入社して実績を残して企業するルートもあります。



『難易度が高い資金調達法』
中小企業経営で活用される事例もありますが、利用するには条件がある資金調達法を
紹介します。
<銀行融資>
通常の銀行融資は基本的に3期以上の運営実績が必要です。
黒字決算であることが望ましいですが、一定の運営実績と事業計画がしっかりしていれば、財務状況が悪くても審査に通るケースもあります。

<ビジネスローン>
銀行融資より審査に通りやすいですが、最低でも1期以上の運営実績が必要です。
決算の内容などスコアリング審査を重視されるので、黒字決算で他社からの借入が少ないなど財務状況が良くないと利用できません。

<増資>
株式会社に限定した方法です。非上場企業の場合は既存の株主からの追加出資や、新たな株主を探す方法になります。
魅力的なビジネスプランを持っていないと新たな出資者を見つけるのは難しいです。

<社債>
法人であれば制度上、社債を発行して個人や他の企業や経営者から資金調達することができます。しかし、一般的に社債を発行するのは信用力が高い上場企業で、中小企業など非上場企業が社債の買い手を見つけるのは困難です。

<株式公開>
証券取引所に上場すれば、自社株を売却するなど多額の資金調達ができます。
ただし株式公開するために必要な証券取引所の審査は非常に厳しく、株式公開できる会社は中小企業とは呼べない事業規模を持っているケースが大半です。

<ベンチャーキャピタル>
ベンチャーキャピタルは中小企業に出資をして、将来上場させてから市場で株式を売って利益を出しています。つまり、将来の上場を見込めるケースのみ、ベンチャーキャピタルからの出資を受けられます。
成功すれば大きな利益を持つビジネスモデルを持っていると、ベンチャーキャピタルからオファーが来るかもしれません。
基本的に中小企業からの申込は受付していなく、魅力的なビジネスモデルを持っている会社にベンチャーキャピタルから声をかけています。