2020.01.07

起業の種類と資金調達の方法

東京商工リサーチによると、2017年の新規法人設立件数は13万1,981社で過去最高を記録しました。
昨今はクラウドソーシングやSNS集客などを利用して、フリーランス(個人事業主)で起業する方も増えています。
会社員として働いている人でも、起業願望を持っている方が多いです。
毎年多くの人が起業していますが、どのような方法や経験・下積みを取っているのでしょうか?
また、起業して新たなビジネスを行うには、事業内容によって多額の資金が必要になります。
創業当初に必要なくても、実績ができるまでは通常の借入を利用できないので
資金難で悩む起業家が多数見られます。
起業の種類と創業時や事業開始後の資金調達方法をまとめました。

『起業のパターン』
起業は以下のパターンがあります。
・会社員で積み上げた経験を活かした起業(前職と同業での起業)
・趣味を活かした起業(在職中に下積みして起業)
・未経験の分野だけど勝算がある(ビジネスモデルの発想が良い)

いずれのケースも起業する時は事前に事業計画をしっかり立てておくことが必要です。
起業前にスキルや経験がなくても、発想が良くて市場調査と計画がしっかりしていれば成功します。
逆に会社員時代はトップセールスなど優秀な成績を残していても、ビジネスモデルや計画がしっかりしていないと失敗します。

『起業の形』
起業する方法を大きく分けると、法人と個人事業主の2種類があります。
法人は主に株式会社ですが、昨今は合同会社を利用するケースも増えています。
小規模ビジネスは個人事業主として起業して、事業規模が大きくなってから法人に変更するケースも多いです。
起業する形の特徴をまとめました。

・株式会社
設立費用:21万円~
決算書作成:難しい(複雑)
メリット:信用力が大きい、事業規模が大きいと節税のメリットがある
デメリット:設立費用と運転コスト(法人税、税理士報酬など)が高い

・合同会社
設立費用:6万円~
決算書作成:個人の青色申告と大差なし
メリット:初期費用、ランニングコストが安く、個人事業主にはない法人の恩恵を受けられる
デメリット:株式会社に比べて信用力が低く、利用できる制度が少ない、増資ができないなど資金調達法が制限される

・個人事業主(青色申告)
設立費用:0円~
決算書作成:複式簿記必須(会計ソフトで簡単に作成可能)
メリット:65万円控除や減価償却資産の計上など、小規模事業なら税制面が有利
デメリット:信用力が乏しい、売上が大きくなると税金対策できる範囲が狭い

・個人事業主(白色申告)
設立費用:0円~
決算書作成:簡易的な収支内訳書で簡単作成可能
メリット:何も行わずに事業を始められる(青色申告は開業届出を出す必要がある)、取引相手からしてみれば青色でも白色でも同じ
デメリット:控除枠が10万円しかない(本業で起業するなら最低でも青色申告にするべき)

<形態で異なってくる資金調達法>
資金調達法は株式会社、合同会社、個人事業主によって異なっています。
主要な資金調達法と利用できるビジネス形態をまとめました。

・出資
方法:第三者(主に元会社やベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、親族など)に資金提供してもらう、
注意点:出資比率に応じた経営権を持たれる、利益に応じて配当分配を求められる
事業形態:株式会社のみ

・創業融資制度
方法:日本政策金融公庫などの創業融資制度に申込する
注意点:事業計画書を中心に厳しい審査が行われる、審査に時間がかかる
事業形態:法人・個人事業主問わず利用可能

・助成金
方法:国や自治体の助成金に申請する
注意点:起業するだけで無条件で支給されるものは少なく、厳しい条件や審査が行われるケースが多い
事業形態:法人・個人事業主問わず利用可能

・個人名義で借入する
方法:起業後の借入は困難なので、在職中にカードローンやキャッシング機能付きクレジットカードを発行しておく
注意点:個人の借入なので返済遅延を起こした際のリスクが大きい、代表個人の信用情報をチェックされて会社としての借入が不利になるケースもある
事業形態:個人名義のため事業形態は問わない

・ファクタリング
方法:請求書を発生した未払いの売掛金(売掛債権)を買取してもらう
注意点:売掛金がないと利用できない、売掛先の信頼性で審査状況や手数料が決まる
事業形態:法人・個人事業主問わず利用可能(原則、取引先は法人、一部で個人事業主に対応しない業者もあり)

起業時と創業1年目は出資や創業支援制度、助成金などの資金調達方法がありますが、どれも手軽かつ確実に資金調達できるものではありません。
ファクタリングは売掛先の企業の信用力があれば創業1年目でも利用できます。
下請の仕事で起業して運転資金が足りなくなった場合におすすめの資金調達法です。

『起業の手段』
起業には事業規模やビジネスモデルによって以下の手段があります。
・1人もしくは仲間だけで起業する
資金調達や自己資金などを全て自分達で工面する
自由度がもっとも高く、成功した時の見返りが大きい

・出資をしてもらう
社内起業制度や、勤務していた会社や取引先に資本協力してもらって起業する(完全な雇われ社長で起業する事例も)

・フランチャイズに加盟する
飲食店や代理店など、起業支援を行うフランチャイズやチェーン店が多数あります。
保険代理店など一部では、起業前提に一定期間会社員として経験を積んで起業を目指すコースもあります。

・副業からスタート
週末副業など、仕事を続けながら副業してビジネスの手応えを掴む

・弟子入り
まずは、その道で成功している人に弟子入りして修行する

事業規模によって、最適な方法が異なってきます。
エンジニアやプログラマーなどは、パソコンひとつで起業するケースもありますし、不特定多数の人にサービスを提供する場合は、法人化や店舗・オフィスを持つなどお金をかけて信頼される体制を整えないといけません。
ビジネスモデルを先に決めて、色々な起業の手段から自分に合った方法を見つけましょう

『脱サラ起業で人気の職種』
会社員が脱サラして起業する事例の多い職種をまとめました。

・飲食店
料理未経験でも、センスや人柄が良ければ成功できる、フランチャイズで数百万円の資金から未経験で起業する方法もある

・ネットビジネス
アフィリエイト、ネット通販、メールやデータ送信で提供できるサービスなど

・クラウドソーシング
ライター、プログラマー、エンジニア、デザイナーなど。
昨今はビジネスマッチングのクラウドソーシングサイトが普及して、下請の仕事は比較的簡単に見つけられる

・職人系
内装、外壁、基礎工事、エアコン取り付けなど
スキルを身につければ簡単に起業できるビジネスが多数ある
未経験から職人に弟子入りして起業を目指す方法がある

・営業
代理店業務など、営業経験を活かした販売ビジネスは比較的簡単に起業できる
会社員時代に営業で実績を残した人が選択するケースが多い

・福祉、介護
需要が高まっている分野、初期費用はかかるけど需要拡大によって新規参入でも利用者を獲得しやすい

・その他のビジネス
外国人客の案内や個人コンサルなど、ネット・SNSの普及でビジネスの形が多様化しています。
アイデアがあれば既存のビジネスモデルに捕らわれずに身ひとつで起業して成功するチャンスがあります。